大道芸レポート 未確定が生み出す未知との遭遇。今年最後のホコ天は、大道芸であたたかい。〜エンターテイメント亀戸!Vol.32 2025/12/14 

大道芸レポート 未確定が生み出す未知との遭遇。今年最後のホコ天は、大道芸であたたかい。〜エンターテイメント亀戸!Vol.32 2025/12/14 

日曜祝日を休まず彩ってきた亀戸十三間通りの歩行者天国も、いよいよ2025年の最終日。
雨の予報とともに迎えたこの日、街には「今日という一日」を待ちわびる空気がありました。この一年の締めくくりを、あたたかな時間で包みたい――そんな思いから開催されたのが、「エンターテイメント亀戸!」です。

エンカメ!を区切りにパフォーマー活動を引退する人、新たなパフォーマンス名を発表する人、そして次の一歩に挑む人。終わりと始まりが交差する中で、予定調和ではない出来事が重なり合い、「まだ見ぬ世界」を予感させる瞬間が街のあちこちに生まれていきました。

大道芸ならではのぬくもりに包まれ、足を止め、笑い、驚き、つながる――。
冬の歩行者天国で起きた、未知との遭遇に満ちた一日を、レポートで振り返ります。

大道芸レポート 確定が生み出す未知との遭遇。今年最後のホコ天は、大道芸であたたかい。

まずは今回の温度感も伝わるこちらをご覧ください。
(作 @nicoleee0131 さん)

はじまりのひとといったんおわりの人と。見届けたり。雨と飴が降ったり…。
感慨深い素敵な1日だった。しみじみ。

https://x.com/nicoleee0131/status/2000971783680544783?s=20

まさに、この一文に尽きる一日でした。

この日は、午前中のうちに前夜からの雨も止む……予報でした。
ところが、12時を迎える頃、再び降り出す雨。霧雨がしつこく降り続けます。
雨が止むタイミングを待ちながら、しばらく足止めとなる出演者とスタッフ。

それでも、みんな今日この日を楽しみにしていました。
事前のXの投稿を見ていても、その思いがとりわけ強く感じられたのが、ミモザです。
雨が完全に止みきらない中、それでもホコ天に立ちます。

「あ! 大道芸が始まった!」

そんな心の声が通りに広がったような、張りつめていた空気がふっと緩んだ、あの瞬間。
ミモザのパフォーマンスをきっかけに、霧雨の残る中でも、大道芸が少しずつ始まっていきました。

やよい軒前では、松鶴家天太のショー。
まるで一枚の絵を眺めているような、静かな物語が広がります。
人垣ができ、天太のつくる世界に引き込まれていく人たち。あたたかい。

本人曰く、静かな作品なので、普段の活動では演るのを躊躇う演目だったとのこと。
しかし、エンカメ!ならそれも許される。
これをやってみよう。やろう!
そんな挑戦を、エンカメ!で見せてくれました。
穏やかに積み重ねられ、最後に大きな拍手。

「大道芸が始まるよー!」

通りに響く声とともに始まったのは、ハードパンチャーしんのすけ。
その声が天まで届いたのか、雨は止み、やがて空に青がのぞきます。

なか卯前では、大道芸人たいちのショー。
国内トップレベルのダイススタッキング、迫力のファイヤー。
もちろんその技も圧巻ですが、何より心地よいのは、たいちのチャーミングな人柄が生み出す時間でした。

続いては、沖縄からエンカメ!初登場の Box Theater HANE。
これで、エンカメ!には北は北海道、南は沖縄からパフォーマーが集まったことになります。

南国らしい柔らかな雰囲気に油断していると、そうはいきません。
トップクラスのシガーボックス。その完成度に、思わずため息。

一方、路上で異様な存在感を放っていたのが、アトモスフィアの面々。
写真を見るだけでも伝わる迫力、「スタチュー・金次郎(仮)」。
ぜひ写真館で、その近距離の姿を探してみてください。

この金次郎から、フィナーレで重大な発表が行われます。
名前から「(仮)」が取れる、その瞬間。
観客の表情は一様に、「良い瞬間に立ち会った」という笑顔でした。

路上では、もう一つの物語も進行していました。
この日で引退を表明している紫穂が、ホコ天の一角で公開準備を始めます。
最後の姿を目に焼き付けようと集まった、多くのファン。

路上に「NIKE」が降臨し、終わりの時間が意識されていきます。
その姿を、ファンの皆さんはどんな気持ちで見つめていたのでしょうか。

そして迎えた、フィナーレ。

エンカメ!恒例、出演者とスタッフが一緒につくるショーです。
大道芸人、スタッフ、観客、そして亀戸のまち。
みんなでつくるのが、エンカメ!です。

ほとんどの回でスタッフとして参加してくれている、みずかんちゃん。
この日のために衣装を新調し、フラワースティックをピシッと決めてくれました。

ミモザは、この日のために考え抜いた演出。
フィナーレに集まった人たちへ飴をまく――
雨と飴。天の采配のような、遊び心ある瞬間でした。

そして、紫穂の引退式。
二宮金次像ことたかくわみえプロデュースのもと、歌い、マイクを置き、路上を去る紫穂。
その姿は、集まった人たちの心に深く刻まれたことでしょう。

このフィナーレ一つをとっても、
エンカメ!が「楽しい時間をつくろう」という気持ちから生まれていることが伝わってきます。

2025年最後のエンカメ!は、
なぜエンカメ!がエンカメ!であり続けるのかを、改めて感じさせてくれる一日でした。

この時間を共にしてくださったすべての皆さま、ありがとうございました。

出演者・スタッフ感想ポスト

清掃活動

エンターテイメント亀戸!Vol.32  写真館

撮影:山内康司さん(亀戸十三間通商店街振興組合

フィナーレ特集 撮影:PENGINさん

アーカイブ:エンターテイメント亀戸!Vol.32 告知資料

アーカイブ:エンターテイメント亀戸!Vol.32 当日情報まとめ

次回のエンターテイメント亀戸!は…

新年キラキラ!ワクワク楽しい不思議の歩行者天国!!

亀戸十三間通り歩行者天国の2026年初日となる
2026年1月11日
に開催です!

2026年のエンターテイメント亀戸!もどうぞよろしくお願いいたします。