大道芸レポート なんか、サガスサカス〜エンターテイメント亀戸!Vol.42 2026/10/12

大道芸レポート なんか、サガスサカス〜エンターテイメント亀戸!Vol.42 2026/10/12

秋空が広がった気持ちの良い歩行者天国。
それぞれの道を探して、熱が渦巻いた。
なんか、素敵な休日・エンターテイメント亀戸!Vol.42の開催記録です。

どうぞごゆっくりお楽しみください。

Kameido note 2026.10.12

さっき、すれ違った人が言っていた。
「今日は大道芸の日だ」と。

子どもと買い物でも行くかと、家を出た。

歩行者天国に入ると、さっきの人が言っていたことがすぐにわかった。
音楽が聞こえる。

音楽がする方に目をやると、数人が一人の人物を眺めていた。
パントマイムだった。

中でも、一人の老人は、食い入るような視線を送っていた。

気づくと、私も目が離せなくなった。
滑稽なのだけど、真剣に滑稽だった。
魂を感じる。
熱い。
熱い魂を感じる。

老人が
「いいぞー!」
と、やがてパントマイムに合わせて、叫び出した。

私は、ぎゅっと拳を握る。
いいぞ。
私は、つられて、心の中で叫んだ。

私は、かつてバンドをやっていた。
デビューするほどではなかったけれど、あの時間はあつかったな、と思い出す。
一瞬に賭けていたライブを思い出す。
あの時は、燃えていた。

あの頃とは、違うけれど。
私にも、守るべきものが生まれた。
我に返り、息子を探して、目を走らせる。

息子は、じっと銀色のひとを見つめていた。
囲むように、輪ができていた。

小さな兄弟が、恐る恐る銀色のひとに近づいた。
二人でつつき合いながら、チャリンと、小銭を放り込む。

劇的な音楽とともに、銀色のひとが浮き上がった!

息子は、目を見開いていた。

私に駆け寄ってきた。
「お金。」
と言って、手を差し出してきた。

私は、財布を取り出す。
いくら入れれば良いんだ?
少し考えて、息子に、とりあえず100円玉を渡す。

息子は、にっこり笑って、神妙な面持ちで、銀色のひとに近づいた。

そして。
大きな息子の笑顔。
さっきまでの二十歳の私から、三十歳の私に戻った。

その時だった。

何かいる。
見るつもりはなかったのだけど、気にしない方が無理だろう。

犬?白い…生き物?
どこかで見たことがあるような…愛嬌のある顔だ。

止まってたと思ったら、歩き出した。
息子に向かっている。
息子は、怖がりなのだ。

私は、とっさに、謎の犬と息子の間に割って入る。

犬が飛びかかってきた。
こっちだ!
私は、息子から犬を引き離すべく、横に飛ぶ。

犬もついてくる。
私は、フットワーク軽く、反対側にステップを踏む。
ついてくる。

こっちだ。

こっちだ。

ははは。
気づくと、歩道で息子が笑っている。

私が止まると、犬も止まった。

何事もなかったように、去っていった。

その先を見ると
「シーサー君の活動費」
の看板と共に、バケツ。

ああ。

すっかり肩の力が抜けた私は、息子に100円を渡した。

ははは。
すっかり夢中になってしまった。

そこへシャボン玉が飛んできた。

良い休日だ。

そのまま、しばらく歩行者天国を歩いた。

パンツ一丁で、なにかと苦闘しているやら、決めるやら、おかしなひとがいたり、マジックする人がいたり、ピエロがいたり、元気なひとがいたり。

みんな、なんか、楽しそうだな。

なんか、イキイキしてるな。

うん、なんか。

楽しい。

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撮影:山内康司さん(亀戸十三間通商店街振興組合)

フィナーレ特集 撮影:PENGINさん

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